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コラム

コロナうつを引き起こす便秘「悪玉菌と腸漏れと脳の関係」ビフィズス菌が減少するとメンタルが壊れる?

コロナうつを引き起こす便秘「悪玉菌と腸漏れと脳の関係」ビフィズス菌が減少するとメンタルが壊れる?

加工食品とコロナうつ

若者の間で「コロナうつ」が深刻な問題となっています。

私の知り合いの息子さんは今年の春から大学一年生。親元を離れて初めて1人暮らしを始めたというのにいきなりの自粛生活。1人でオンライン授業を受け、友達もできず、食事はいつも簡単なコンビニ食。もともと便秘だったようですが、薬に頼ることが多くなり自然排便を諦めるように。
3ヶ月1人きりの生活を頑張ったけれど、だんだんとうつ状態が酷くなり課題も提出できなくなってしまいました。見かねたご両親が大学を辞めさせ実家に連れて帰ったところ、症状は改善したようですが、若者の未来を変えてしまった出来事です。

加工食品はうつ病リスクを高めることは分かっていますが、これを証明する興味深い研究があります。

豪州トレス海峡諸島において、ファーストフード店のある島に住む人と無い島に住む人では、うつ病患者の割合に差があることが発見しました。
加工食品と自然食品の摂取量とうつ病の関連性に着目した研究チームは、2つの島で食生活とうつ病レベルをスクリーニングしたところ、全被験者100人中のうち19人が中〜重度の抑うつ症状が認められました。
この19人の内訳は、ファーストフード店のある島が16人、無い島は3人。「重度の抑うつ症状がある人は若くテイクアウト食品の摂取が多かった」という結論にいたりました。
(出典:栄養神経学 論文要旨)

うつ病の人の腸内細菌

うつ病を抱える多くの人は、便秘や下痢などの消化器症状を併発する傾向があります。うつ病の方の腸内細菌叢を調べると、dysbiosis(腸内細菌バランス失調)を引き起こし、腸内細菌叢の多様性が低いことが分かっています。

腸内細菌叢のバランスが崩れると、ビフィズス菌や乳酸菌が減少し、腸の透過性が亢進して「もれる腸:リーキーガット症候群」となります。
腸の透過性亢進は、腸内細菌や毒素などの侵入を容易にし全身炎症の原因に。炎症性サイトカインが上昇すると脳血流関門の破壊から神経炎症の誘発を高め、うつ病発症を誘起すると考えられています。

便秘でうつ?と疑問に感じると思いますが、簡単にまとめますと
ビフィズス菌や乳酸菌の減少→リーキーガット症候群→脳血流関門の破壊→神経炎症→うつ病
という関連性です。
(出典:腸内細菌学雑誌 うつ病・自閉症と腸内細菌叢)

病は腸から

毎日家族で手作りの食卓を囲む家庭は、家族の仲が良いと言われています。これは食生活が良いと腸内環境が整い、心が穏やかになり、イライラが減るからだと考えられます。

脳と腸の関係は昔から「脳腸相関」と呼ばれお互いに影響を与えることが分かっていますが、その詳しいメカニズムは判明していませんでした。「緊張すると下痢をする」「便秘が続くとやる気が起きなくなる」そんな経験はあると思いますが、どうして脳のストレスが腸に来たり、腸の不調がメンタルに影響したりするのでしょうか?

2020年6月慶応大学の消化器内科学・金井隆典教授らの研究チームは、自律神経が紡ぐ炎症抑制のメカニズムを解明しました。7~8mもある長い腸からの指令をどうやって脳に伝えているかというと・・・、腸で吸収された栄養素はそのほとんどが肝臓に送られます。肝臓が栄養や伝達物質の処理を行い脳へ送ります。そして脳から腸の免疫細胞に指令を出し腸管免疫が働きます。
免疫の司令塔と呼ばれる「制御性T細胞」は、腸独自の判断で働くのではなく脳からの精巧な指令によって動いているということを明らかにしたのです。この発見は、腸内環境の変化に伴う現代病(肥満、うつ病、炎症性腸疾患)、がん、COVID-19等の病態解明や治療に繋がると期待されています。

出典:2020・6・11 Nature The liver-brain-gut neural arc maintains the Treg cell niche in the gut

バランスの良い腸内環境を育てる食事が、体と心の健康にとても大切です。孤食や加工食品が私達の体に変化を与えているのは明らかです。明るく穏やかな日々を過ごすために、毎日の食生活を見直してみましょう。

   

   

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